やっと夏っぽくなってきた

ちょっと睡眠不足気味で起きた。朝食はしっかり食べる。お昼は軽くピザトーストにした。今日はGと一緒にタクシーで病院に行って、退院後はじめてKと面会した。この数日の搾乳を大量に持参する。KはNICUからGCUにお引越ししていて、授乳も「3時間おき」から「欲しがったとき」に代わっていて、体重も2500gを超えていた。出世である。めでたい。しかし、土曜にもかかわらず主治医の小児科の先生がやってきて説明してくださったところによると、これほど食欲があって体重も増えたのに血糖値がすぐに下がってしまうということで、先天性疾患(高インスリン)の診断ということだった。このままずっと点滴をするわけにもいかないが(Kには出生数日後からカテーテルで心臓に近い静脈まで濃い輸液のための点滴が入っているのである)、血糖値が下がることで中枢神経系に悪影響を与えることだけは絶対に避けねばならない、今後は退院を見据えてお薬の内服を視野に入れる必要があり、今週末から来週前半にかけて血糖値を連続で測りながらその方向性で考えていくということだった。そのときは説明の中に入ってなかったけれども、あとで看護師さんにきいたところによると、薬を家で内服させるということになると、毎回家で血糖値を測らねばならず、そうするといつも足から血液を採取して血糖値測定をしなければならない。この疾患が、一過性でよくなるのか、持続性なのかを尋ねると、きわめて個人差が大きいということであったが、持続性の場合は元から体重が大きく血糖値もより重症であることが多いので、印象としては一過性ではないかということだが、いまの時点ではわからないということだった。

いろいろと胸を去来するものがあり……ひとつは、ここまで本当に薄氷を渡っていたのだなということ。もし普通の産院だったり、普通の経膣分娩だったりして、小児科医の立ち合いがなくその場で血糖値の検査がなかったら、この子は食欲旺盛なので低血糖が見過ごされて、もしかしたら脳に障害がでたかもしれない。私がたまたまK大病院を選び、たまたま経緯があり緊急帝王切開になって(その経緯のせいで低体重だったとはいえ)、手術開始から小児科の先生が傍にいて、取り上げられた次の瞬間から各種検査をしてくださったおかげで、取り返しのつかない事態を危機一髪まぬがれたのではないか、ということ。この子は運の強い子だとおもう。もうひとつは、産まれた直後から毎日たくさん採血して、太い血管に点滴を入れて、こうやってずっとずっと頑張っている子どもに、たった週2回しか会えず、「がんばってるね」と毎日言ってあげることもできない不甲斐なさ、コロナ禍への理不尽な気持ち。そして、生まれたばかりのこどもが病気で、この先が心配な気持ち。私たちが本当にちゃんとケアしてあげられるだろうかという不安な気持ち。自分は授業で、エコーを含めた出生前診断ではわからない子どもの病気は沢山ある、とよく言っていたけれども、いざ本当に自分の子が数万人に一人の疾患を持っているようだといわれると、本当にそういうことってあるんやなあという感心(?)に近いような気持ちなども。医師の話しかたとか看護師さんの話し方や話の持っていきかたに、NICU/GCUに入院する子を持つ親に対する、研究された配慮を感じたり、ということもあった。

それにしても、コロナ禍のもたらしたNICU/GCUにおける母子分離・父子分離の実態はおそるべきもので、出産してから私が自分の子と顔を合わせたのは細かいのをカウントしても今日で十数回くらい、接した合計時間はおそらく5時間ほど。Gが面会したのは今日がようやく3回目。接した時間が短くて、写真を頻回に見返さないと自分の子の顔なのに思い出すことができない。自分に新しい家族ができたという実感がわかない。とくに退院してからは面会制限が厳しくて、赤ちゃんのお世話を実践する時間も少ない。もしコロナがなければもっと頻回に会いに行けたりしただろうに…。

ともあれ、今日はGCUで看護師さんにレクチャーしてもらいながら、オムツ替えやら、授乳やら(勢いよく50mlも飲んでた!)、ひざにだっこしたまま退院後の生活についての講義とかをしてもらった。Kの腕と手がすべすべふわふわで気持ちよかった。たくさん写真もとった。退院してから「みてね」アプリに登録して、家族で写真を共有している。その他にもDropboxにたくさん写真を入れていて、ときどき見返している。そうしないと自分の子どもなのに、顔すらおぼろげになっていくのである。とはいえ、とにかく見返すと可愛い。とってもかわいい。

タクシーで帰宅し、疲れたのでその後はゆっくりしていた。夕食は牛ミンチのトマトチーズ焼きなど。