2022年の総括

昨年の総括に「あまりにも忙しい1年だった。生活と仕事に追われて、本当にそれだけで、その他は気絶していたみたいにすら感じるような1年だった。」と書いたことをやっとのことで思い出した。今年はそれと同じかそれ以上、本当にすべてをギリギリで回していて、まったく余白のない1年だった。日記もテキストファイルに書き溜めてはいたものの、ウェブ上で更新できず、現時点で半年分たまっている有様。これからぼちぼち更新する予定だけれど。とにかく目の前の育児と家事、そして締切のある仕事をする、そのための体力を確保するのが優先で、それ以外のことができない一年だった。

・保育園休園(1~2月) コロナでKoの通っている保育園が1週間や10日ほど休園になることが何度もあり、そのあいだ仕事をしながら自宅保育をせねばならず、それが非常に大変だった。給食室が閉鎖になって、お弁当を持たせた週もあった。自宅保育も大変だけれども、園で病気をもらってきてその看病があるのも大変だった。ただしそれは2021年度内はまだマシで、2022年度に入ってから(1歳児クラスに入ってから)は2週間に1度は体調を崩すありさまで、そのフォローに本当に難儀した。やはりクラスの人数が増えると感染症をもらう率も増えるのだろうか

・出産(5月) なんとか無事に次男Kaを出産した。あとから思えば長男Koのときよりもずっと安産だった。二度目の帝王切開は麻酔と手術が嫌すぎてテンションが上がらず、非常にどんよりしながら出産に臨んだが、終わってみればこれまでうけたどの手術よりも楽だった。3月いっぱいまで踊っていたのも功を奏したかもしれない。生後数日でKaが濃厚接触者になり隔離されたのも貴重な体験ではあった。とにかく元気に生まれてくれて、これまでのところ元気に育ってくれているので感謝ばかりである。

・妹一家が来た(7月) 妹が5年ぶりに帰国し、ドイツ人の姪に初めて会った。子どもたちの初対面はなかなか面白い感じだった。私が産後間もなかったこともありバタバタではあったが会えてよかった。7月は、妹一家といい、義理の家族といい、訪問者が多く、もてなしの準備が必要でそれに大変疲れたのは事実ではあった。

・シンポジウム(7月) M大先生から依頼があり、T大のAIセンターのシンポジウムに登壇した。こういうシンポジウムに名指しで依頼が来るとは、私も中堅になったと言えるのかもしれない。シンポジウム自体は盛り上がったし、なかなか面白かった。しかしこのテーマ、やはりブームになってから参入した人の講演には浅さを感じる。他山の石にしたい。

・翻訳(4~8月) こちらも名指しで依頼があり、イラストブックの翻訳をした。はじめは断ろうかと思ったが、せっかくの機会なので思い切って引き受けた。来年の春に出る予定。すこしは普及活動になればいいのだが。あと私のお小遣いの足しになればいいなとも思う。

・レッスン復帰(8月) 産休直前までできる範囲で踊っていたおかげで産後は早く立ち上がれた(と思う)わけだが、産後の体力づくりのためにも8月から思い切ってレッスンに復帰した。U先生のぐあひーらと、A先生のかーにゃ。なんだかんだで両方がんばって行き続けている。ただし、時間がなさすぎて通える時間に限界があるので、振りを覚えるのが大変すぎる。来年の発表会をどうするべきかは考えどころ。

・執行部(10月) 7月にS先生からZoomの依頼が来て何事かと思ったら、執行部のお声掛けだった。私に一番に声をかけてくださったらしい。迷ったが、Gとも相談のうえ、お引き受けした。やはり誰が学部長のときに引き受けるかというのが非常に大事だと思ったため。産後すぐということで、色々と仕事の調整に配慮もいただいていて感謝である。

・監修(10~11月) まさかのA学会の雑誌の表紙監修の依頼が来た。びっくりしたが引き受けた。ブレインストーミングやメールのやりとりで出てくる情報が非常に勉強になる。あと、当たり前といえば当たり前だが、古い時代のことは皆ほんとうにあまり知らないんだな…と自分の認識(の偏り)を新たにした。いや本当に、まさか自分にこういう依頼が回ってくる日が来ようとは…。私の本がMyさんの目にとまり、そこから学会の編集委員長の目にとまり、Mts先生の目にとまり、ここまで来たわけだといえる。何事もこつこつと誠実な仕事をしなければならないということであろう。

・マンション購入、引っ越し(10月) 昨年契約したマンションを無事購入し、ローンも組み、引っ越した。産後すぐということで1年は金利優遇もつくという条件。引っ越しそのものはすごく大変で、12月現在でもまだ私の私物はまったく片付いていない。

・ジュエリー(年間) あまりに仕事と育児しかしていないストレスもあってか、いろいろとリングなどを作ったりお迎えしたりした。バラエティが出てきて、重ね付けの楽しみが出たのはよかった。授業に出る日はいつもしっかりコーディネートすることにしている。


今年の記憶といえば、とにかく炊事があまりにも負担で(幼児食、大人の食事、離乳食など…)それに時間を取られてイライラしてしんどかったこと、出産関係と住宅購入・引っ越し関係の書類仕事が多すぎてオーバーフロー寸前だったこと、そこに9月末以降は授業がプラスされてほとんど限界だったこと。毎日ギリギリ回すことだけを考えていて、何かが楽しいとか息抜きをするとか、そういうことを思い返す余裕もなかった。いちおう、産前産後の5ヵ月を除いては踊りのレッスンには行っていたし、今年はスキマ時間にネット小説を読んだりとかはしていたけれども、2歳児と0歳児、それから家事に時間をとられて大変すぎた。Gは本当によくやってくれていると思うのだが、彼はよくも悪くもマイペースなので、物事の優先順位を無視して目の前のことをやるのを見るのがストレスだったこともあった。ひとえに私に余裕がなさすぎるだけなのだが。

それでも執行部を引き受けたのには一応下心もあって、それは産後すぐなので周りがびびって(実際執行部を引き受けたことに何人もの同僚が慄いていた)色々フォローしてくれるだろうと思ったことと(実際してくれる)、どのみちこのさき10年は暇な時間ができないのだから、いつ引き受けても一緒か、と思ったこと。とにかく学部長が理解ある方なので、色々調整してくださっていて、執行部に関してはとりあえずはやれていると思う。6年ぶり2度目の同じ仕事なのも大きい。

それよりもストレスなのは、引き継いだ共訳の仕事。これはもう引き継いだという経緯さえなければ絶対に断っていただろうと思う。細かい作業とか問い合わせが私に丸投げになるのが本当に納得いかない。私よりも一回りも年上なのに何なのか。まあ、これは修行と思ってコツコツやるしかない…。

それに比べれば、今年引き受けた単独翻訳はけっこう楽しめてやれた。担当さんがなんと高校時代の部活の恩師の担当編集さんだったというのも驚きだった。来年無事に出せるように再校もがんばりたい。

授業は、産休のあいだに少し資料を改訂したりなどして、なんとかこなしているといったところ。ゼミについては、今年はずいぶんゼミ生たちに助けられている。代講に来てくださったK先生にもずいぶんお世話になった。本当に感謝である。

あとは、色々と小さい病気をした。これは子どもに巻き込まれている部分が大きい。4月以降はKoは2週間ごとに体調を崩していたし、体の弱いGはそれをかならずもらうし(今冬は咳で肋骨まで折っていた)、私も1月と10月の2回発熱したし、10月のは手足口病で0歳児まで発熱していた。12月下旬にはついにコロナにも捕まったが、こちらはワクチンがおそらくは功を奏したようでよかった(大人は無症状だったし)。あとは10月の引っ越しが忙しすぎて、9月下旬くらいから体中の蕁麻疹が治らず往生した。これはゆっくり横になったり休憩したりする時間がまったくないくらい忙しくなってしまったからだと思う。ともあれ、出産+仕事復帰+引っ越しのコンボはあまりにもハードだった。

その他の出来事としては、3月に英語論文を出したこと、同じ3月に恩師I先生の偲ぶ会を行い、その司会をしたこと。6月に東京からきたTさんのインタビューに答えたり、9月に祖父母に会いに行ったことだったり、10月に久々に元同期とお茶をしたことだったり、12月に3年ぶりにスペイン人のグループレッスンを受けたことだったり、暮れに3年ぶりにIさんのお店でお酒を飲んだこと。石関係でのSNSでのやりとりも今年も楽しくやらせてもらった。そしてこの1年でKoの運動能力がずいぶんあがり、何よりずいぶん喋れるようになり、コミュニケーションが取れるようになったこと。5月に生まれたKaも体が大きくてニコニコしていて、あっというまにずり這いするようになったこと。子どもがどんどん大きくなってくるので、それを間近にずっと眺めていたいような気もするものの、親以外の人と過ごす時間で成長しているなと思うことも多い。次のサバティカルの時期を含め、先のことも少しずつ考えないといけない。

そんなわけで、今年は「初めて」をあまり追求する余裕がなかった。強いて言うならば、はじめての硬膜外麻酔、はじめての住宅ローン、はじめてのグランバーガー取り巻きリングオーダー、くらいだろうか。今年は「あまり仕事は引き受けない」が目標で、それはなんにか達成したもののこの忙しさ。これはどうにかしないと寿命が縮む気がする。共訳の仕事は約束をしたのでやるけれども淡々と。踊りの発表会は悩むところではあるけれども、ここで育児と仕事に全振りするのもいかがなものかと思うし、むしろ仕事の方を削ることで調整をしたい。というわけで、来年の目標は「あくまで心身の健康を第一にする」。授業もあるし、研究業績のことも色々言われるし、学会仕事もあるし、そのどれも大事ではあるけど、あくまで心身の健康を第一にする。持続可能な生活づくりをすること。それを目標にしたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いします。