暖かい晴れ

14時から博士論文口頭試問。

ようするに一番の問題は「全体の構成が決定的に悪い」「論文のタイトルの付け方が非常に悪い」「大事な流れが整理できていない」という部分で、そこへのツッコミでほとんど終わったような気も。I先生、Is先生、H先生の全員からつっこまれたので非常に状況が悪い。特に3つ目が非常にクリティカルなのだが、まあ頑張るしかないな…。あと、英語の理解が甘い、それはむしろ日本語の問題、とかも。修行してください、と言われてしまった。要するにU先生から修士時代にもらっていたコメントと変わらないと言える。「努力の跡は見られるが流れが悪い!」「もっと英語を勉強せんか!」というやつ。とほほ。

細かいところで言うと、私が一番おそれていたH先生からのツッコミは非常に面白いもので、小炎上はしたけど大炎上ではなく、すごく勉強になったし、知りたくて知らなかったこともちょっとずつわかったし、どこを見ればよりよくわかるかが分かったので大変よかった。Is先生からのツッコミに対してむしろフォローをしてくださったり。おおお。「できてるかどうかはともかく(笑)、いままで誰もが『こうだろうな…』と思いつつ確かめていなかった事を、ちゃんと確かめたというのは、きちんとやるべき仕事をやってくれたという感じです。僕は評価しています」とおほめの言葉を頂いたので大変にテンションがあがった。うふふ。

それにしてもこの3人にコメントもらいながら、色々発見もあるというのは、非常に知的愉悦というか、これがあるから研究も学問もやめられない、楽しくて仕方ないという感じだった。学問は悦楽である。

とはいえ、論文は色々地雷踏んでいるところもあるので、これから可及的速やかに加筆訂正をしなければならぬ。忙しいし大変だが、まぁ苦にはならない。今後どうやって本にしていけばいいかも、ちょっと見えてきたし。

問題はT翻訳解説のほうで、H先生のツッコミによる炎上が見事に大延焼。大幅訂正が避けられぬ情勢に。私は今日きちんとこの草稿をプリントアウトして仮製本して持って来ていたのだが、これが実にファインプレーで、H先生は「目を通してコメントします」と言って、この原稿を持って帰られた。自動的にY先生にも目を通してもらうことになる。この2人に見てもらうのが日本国内でも最善の選択なのは明白なので、私は有難くて仕方ないのだが(だって出版してから炎上したら延焼どころか山火事になる)、これでSkype会議の雰囲気は一体どうなってしまうのか…。帰宅してさっそく共同研究者にメールで報告したが、既に若干。。。まぁ、H先生は「自分は彼のPD時代の指導教員なので、これはとても放置できない」と仰って持って帰られたのだし、ちょっといなすくらいでこの問題が解決できないのは確実で、これがこの原稿をめぐるラスボス戦級の戦いになることは明らかである。私にとっての問題とは、共同研究者が、私に私のスタイルでの戦いを許してくれるかどうかということ(先生は許してくれる、というか、それをしろと今日散々言われたのだが)。実は今日の3人の審査委員からは、この件について色々苦笑いされてしまった…どういうことよ、もう…。

ちなみに試問は2時間ぽっきりで終わった。その後、1時間半も別件で話し込んだ。

日が暮れてから、I先生のお嬢さんの所属する中学の科学部部員さんたちと、I先生の奥さんが大学にやってきて、I先生とちょっとした天体観測をするというので参加した。水星は見えなかったが、木星とその衛星が3つ見えた。やはり木星はよい。帰宅してから、某ダンスの練習。体を動かして汗をかくとすっとする。

何にせよ、色々すっきりとした一日だった。大学院に入ってから10年かかった。大きい一山を越えられたので、とても嬉しい。