薄曇りのち小雨

私がはじめて本格的に日食を見たのは1999年、フランスのランスでのことだった。20世紀最後の皆既日食で、天文愛好家ばかりが集まる特設サイトで観測して、皆既食の間はあたりも薄暗くなって歓声があがり、食が終わった後には皆でシャンパンで乾杯した覚えがある。当時まだ18歳だったけど、フランスの法律的にはOKだったので。ランスでは突如フランス人家庭にホームステイすることになったりして(そこで食べたフランス家庭料理の美味しかったこと)、本当にはちゃめちゃな旅だった。

まともに本格的日食を見るのはその時以来であった。私は日食グラスを手に友人と道端で観察に臨んでいたのだが、近所から出てきたと思しき老人につかまってしまい、金環食数分前になって、グラスは売っていないのか、肉眼で見てはだめなのか、サングラスではどうか、皆既日食と違うのかなど色々聞かれて、即席でピンホールのしかけを作ってあげたのだが、彼はなかなか使い方を理解してくれず、結局69秒ある金環食のうち10秒ほどしか見られなかったのであった。しかし、仰いで尊い我が師の恩を考えれば、こういう場面で人を助けるのは当然のことであろう。ま、10秒みれば十分だし。ちなみに実家の父は愛用のカメラでばっちり写真を撮っていた。さっそくメールで送ってきてくれたが、さすがによく撮れている。

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出勤して、今日は科学史の授業。ヒッパルコスがどうだとか、プトレマイオスの体系がどうだとか、そういう話。そろそろ出席率が悪い。20人以下くらいか。出てる子は割と真剣に聞いているのだが、出てない子は試験どうするつもりだろう。帰宅してから疲れて食欲がなく、バナナジュースを作って飲んでばたんきゅー。