曇りのち晴れ~

本日移動デー。昨日の残りもので軽く朝食にしてから、荷物を積んでR君の車に乗って出立! まずは地道をとおってヴァイマル方面へ向かう。ハーメルン付近は丘が多いのが特徴だそうで、素敵な起伏が続く。

f:id:noctifer:20170315175221j:plain

途中からアウトバーンにのったが、ドイツのアウトバーン初めて。3車線だが、速度上限がないから追い越し車線の車の速度が物凄い。R君も130キロくらい出しているのだが、プラス30キロ~40キロくらいでかっとばしていく。ドイツおそろしい。途中から旧東ドイツエリアに入り、ところどころ微妙に建物の雰囲気が変わってくる。このあたりは30年前まで共産圏だったのだ。

f:id:noctifer:20170315204813j:plain

2時間半くらい乗ってヴァイマルへ。ここでまずは腹ごしらえ。R君が調べてくれたレストラン。Scharfe Ecke。ここの! ごはんが! 物凄い美味しかった!!! 過去にミシュランに載ったこともあるそうだがわかる。伝統的なこの地域のドイツ料理で、名物はクヌーデル。これがたぶん手作りで、R君いわくおばあちゃんが手作りしてくれた味と同じと。そして、さまざまな煮込み料理のソースの味がそれぞれ違い、すばらしいうまみ。マッシュポテトもうまい。これは危険な味。ポーションもかなりあったが、あまりに美味しくて手が止まらなかった。私は豚のレバーとリンゴのはいった煮込みを選んだが、本当に満腹満足。その後何日も味を反芻して思い出すくらい美味しかった。店内の雰囲気もいいし、店員さんも親切。日本にあったら絶対に通う。ていうかここで宴会したい。これを食べるためだけにヴァイマルに寄ってもいいくらい美味しい。ものすごい美食であった。

f:id:noctifer:20170324031751j:plain

満腹をかかえて町を散策。名物のドライフラワーを妹は購入していた。お茶を買って飲んだり、ゲーテやシラーにちなんだ建物を見て回る。イチョウも有名だそうだ。遅くならないようにヴァイマルを出立し、2時間ほどかけてライプツィヒへ。宿泊場所を見つけるのに苦労するが、着いた場所は新しくて安くて綺麗なアパートメントだった。ラッキー。荷物を置いて、夜のライプツィヒを散歩した。ライプツィヒ歌劇場やゲヴァントハウス、トマス教会などを見て回り、あまりおなかもすかないので、そのへんでナチョスでビールを飲むことにした。なかなかうまかった。明日も移動なのでR君は早めに就寝。私は妹と色々話して夜中になってしまう。

だいたい晴れ

やっぱり早めに目覚めるが意外とすっきりはしている。朝からパンとジュース、カプチーノをいただいて、妹とR君に車に乗せてもらって出立。今日は車で1時間ほど行ったところにあるPaderbornという町にある、世界で最も床面積の大きいという計算機博物館を見学に行く。畑と小さい村を通り抜けて、Paderbornにつき、まずは時間もあることなので大聖堂へ。ここはカトリックの孤島として有名な場所らしく、おそらくは第二次大戦で壊滅した大聖堂を威信をかけて再建したとのことで、非常に巨大で立派なドームが建っていた。司教や聖人の墓もあった。一通り見てからドーナツ店でドーナツを買い、サービスでアイスクリームをもらい(美味しかった!)、それから件のミュージアムへ。確かに大きい。ここはHeinz Nixdorf氏が会社の本社を置いていた場所だそうで、もとは彼のコレクションから始まった博物館なのだそうで、創立してから既に数十年たっているということだった。ドイツにあるので、主題はやはりドイツのコンピュータということになる。しかし驚くべきことに、かなりの数のコンディションのよいタイプライターがあるし、ブルンスヴィガの使い方やコンプトメターの実際の使いかたを学べる(実物で)のコーナーもあるし、ライプニッツ計算機の再現や、CrayII、ENIACやHarvard Mark I, Bell LabsのModel Vの実物の一部まである。昔のゲームで遊べたりもする。ホントにびっくりで大興奮。世界中にここまでの場所はさすがに少ない。13時からアポイントメントで、館長先生と面談。以前にロンドンに会って以来で、お互いに互いの事を覚えていた。いくつか専門的なことについてディスカッションをし、有益な情報も教えてもらう。しかし、D.H氏が2009年の時点でインタビューできるくらいでいらしたとは…もう高齢すぎてお会いすることは極めて難しいと思うが(そもそも生きておられるかどうか)、できれば1度はお会いしてみたかった。いつも私はタイミングが遅い。マドリーでできそうなこともちょっと知ることができて、思わぬ収穫。2時間ほどたっぷり時間を取っていただいた。

先生に挨拶して別れてから、残りの展示を手短にみて、また車でHamelnまで送ってもらう。色々頑張りすぎて虚脱。夕飯は、目当てのところがあいていなくて、メキシコ料理店に行ったが、ものすごいポーションで満腹になった。帰宅して、一服しつつ荷造りと資料の整理など。土産類をおろしたのでだいぶ鞄がすかすかになっている。

曇り時々晴れ

今日は久々ののんびりデー。昨夜は皆おそかったのでゆっくり起き出して、遅めの朝食。ドイツはパンがおいしい。まずは洗濯をさせてもらい、町の散策へでかける。Hamelnは13世紀の笛吹男の伝説で有名で、町のそこここにモチーフがある。地面にはめこまれたネズミのプレートとか、銅像とか。マルクト教会の横の建物にはからくり仕掛けがあって、13時17時に動くということだったが、運よく行き会うことができた。あかるい曲調で始まるのだが、なんとなく憂いのある曲調で終わり、バッドエンドとあいまってホラー調のようにすら感じてしまった。翳りのある中世の良さ、と言うこともできるかもしれないけれども。その後、妹がいつも練習しているというマルクト教会のオルガンを見せてもらったりする。

f:id:noctifer:20170313213651j:plain

そのあと、R君と合流して、山手のほうのレストランに昼食を食べに行った。ここでいただいたチーズ入りホウレンソウのクヌーデルクリームソースが大変に美味しかった。それから山道を30分ほど歩いてこの季節にここでだけ群生するという白い花を見に行った。たしかに林の根本が綺麗な真っ白のお花畑になっていた。

f:id:noctifer:20170314001348j:plain

ドイツ語では三月のカップという名前だそうだ。綺麗。英語ではsnowflakeらしい。和名はオオマツユキソウ。

山を下りてしばらく休憩し、夜は近くに住むR君のご両親に会いにいった。イタリアの写真を見せてもらったり、10月の事を話し合ったり。ものすごくおいしいアルザスの白ワイン(特級も!)を2種類、ハーブ入りのクラッカー、いろんな種類のチーズやオリーブをいただいた。楽器がものすごくたくさんあって、ワインも美味しくて、居心地のよさそうな素敵なおうちだった。深夜に帰宅して就寝。

曇り

本日移動日。日曜なのでスーパーなどはまったくあいておらず、買っておいたケーキで朝から朝食にして、荷造りをしてチェックアウトをして出立。トラムを乗り継いでマンチェスター空港へ。トラムはガラガラだったけれども、本数が多くて快適だった。マンチェスター空港はかなり小さくて、チェックインした後はあまり待つスペースがあるわけでもなく、あまりにおなかが空いたのでココアだけ飲みながらネットなど。ゲートが開いてから中に座るスペースがないのにもびっくりしたりなど。空港も色々だ。マンチェスターから飛行機でヒースローに戻り、ここでかなり乗り換えの時間があいていたので、ステーキ入りのサラダとビールで昼食にした。うまい。ベンチで携帯を充電して連絡に備える。夕方の便でハノーファーへ。ゲートが遠くて驚いた。うっかり見落としたら乗り遅れそう。ロンドンからハノーファーまでは1時間半くらいで、けっこうあっさりと到着した。着いたら夜で、妹が迎えにきてくれていた。ハノーファー駅で乗り換えつつチャイを飲み、ハーメルンへ。スーツケースをごろごろとひっぱってアパートに到着。1830年代の建物らしいが、内装は改装されて綺麗だし、部屋は多いし、なんかおしゃれ! 私もこういう家に住みたかったなあ…(日本では無理)。妹が買っておいてくれたビールとチーズ、魚の酢漬け、パンなどをいただいて夕食がわりに。色々と話が盛り上がる。

ただただ曇り

周囲の宿泊客がうるさい人たちで夜中や明け方に目覚めたりしたが、その割にはすっきり起床。昨日買いだしておいたパウンドケーキに、フルーツを買い足して部屋で朝食。安上がり。今日は雨が降るかと思いきや降らなかったので、マンチェスター大学のちょっと離れたキャンパスまで歩いていくことにした。Google Mapによれば30分かかるということだったが、実際は20分で着いた。近いやん。まずは記念にKilburnとかTuringと名前のついた新しい建物を見に行く。土曜なので全部しまっているが。その道中の看板で、当時当人らが働いていた建物が残っていることを知り、そちらに歩いて行った。現在は健康心理学のプログラムが入っている、レンガ造りの建物で、青い記念プレートがはってあった。昔この建物であの人たちが働いていたのかと思うと、妙に感傷的な感覚になってしまう。

f:id:noctifer:20170311190724j:plain

大学博物館に行ってみようと思ったら、ちょうどすぐ隣の建物だった。絶滅動物の展示とか、古代エジプトのミイラ、ローマガラスや碑文などローマ時代の遺物、イギリスを中心とした世界各地の化石(アメリカから来たT-Rexも)、動植物や昆虫の標本、ヤドクガエルの飼育エリアなど、なかなか多種多様で面白かった。

博物館の売店を一通り見て、大学の売店が閉まっているのを確認し(土曜なので)、おなかもすいたことなので、チェックしていたティールームへ。地元の人気店なのか、3組くらい先に待っていたが、どうせ時間もあるのでゆっくり待つ。意外と10分くらいで入れた。ちょっと小さ目のクリームティーとサンドイッチのセットを注文。これがおいしいのなんの! やっぱり英国のお茶は最高。お菓子とお茶にかけては、米国は足元にも及ばん。英国の圧倒的勝利。店員さんも感じがよくて、流行ってって回転のよいお店で、対応も早く、とても満足。

宿に帰りがてら、Sheilaに頼まれたお土産を探す。いきしなにめぼしをつけていたお店で、頼まれたスカーフ(マフラー)を発見。これでお土産はばっちり。いったん宿に戻って荷物を置き、また出立。歩いてすぐのところにあるクラフトセンターを覗いてみるため。ここで、コンピュータエンジニアの子連れのおじさんに声をかけられ、少し話す。そういう歴史をやっているというと驚かれた。かわいいカーネリアンの手作りペンダントを発見し、60ポンドで購入。それから、あまりに綺麗でどうしてもほしくなった美しい焼きのカップを35ポンドで購入。ああ満足。気を付けて持って帰らねば。まだ喉が渇いているのか、やっぱり暖かい美味しいお茶が飲みたかったので、夕食替わりにまた別のティーハウスに行って、お茶とお菓子をいただいた。うむうむ満足。

たまに小雨

起きたら雨だった。近くのスーパーでベジタブル寿司とお菓子、フルーツなどを買いだして、宿で安上がりの朝食にする。今日はまず聖地巡礼ということで、ブロンズ像まで行ってみた。行ってみて気付いたのだが、ここはゲイタウンのすぐ横なのだった。レインボーの旗がかかった、ドラアグクイーンの絵の描いてあるバーなどがたくさんあるエリアの横の公園の真ん中であった。感慨深くて色々写真を撮ってしまう。 

f:id:noctifer:20170310185414j:plain

それから駅に戻り、トラムに乗って2駅進み、産業科学博物館へ。ここがすごかった。まず製綿都市マンチェスターということで、19世紀末から20世紀初頭に使われていた製綿用の機器やら織り機やらがまだ動くように整備されていて、デモまで見られる。植民地だったインドだけでなく、奴隷労働で作られていた米国の綿花を輸入していたこと、児童労働で機械の整備が行われていたことといった暗部も説明された。貼られている当時の地図はシリアからトルコだし、ある意味大英帝国の闇の凝縮が製綿織物産業だったのかもしれない。

隣の建物には水力から蒸気機関、内燃機関蒸気機関車といった動力関係の展示がなされていた。蒸気機関車のところにいた学芸員さんが大変に親切で、質問したら隅から隅まで答えてくださった。はじめて蒸気機関車のしくみをちゃんと学んだと思う。用途によって大きさと構造が違うのも面白いし、マンチェスターで製造されていた機関車が日本にも輸出されていたそうな。英国では1960年代半ばまで普通に蒸気機関車(石炭使用)が使われていたそうで、それで煉瓦壁にもいまだに黒いところがあるのだそうな。フィルターなどはなかったとのことだから、大気汚染はどれほどだっただろうと思う。

あとはマンチェスターベイビーのワーキングレプリカがここにあるのだった。計算機保存協会がつくったやつだ。ははあ、これか、と思った。デモなどはなかったのでちょっと残念。飛行機などをチラ見してから辞去。
それからManchester Art Galleryに行く。ここにラファエル前派のコレクションがあると聞いてのこと。ハントやヒューズ、ロセッティがあって大変に満足した。やっぱりラファエル前派大好き! 日本のデザイナーの展示もあって、イッセイ・ミヤケやコムデギャルソンの服も見られた。こちらは4月までらしい。

妙に米を食べたくて、昨日とは別の店でリゾットを頼んだら微妙だったが、まぁこんなもんかという感じだった。疲れたので早めに宿に帰って休む。連日動きすぎかも。

今日も晴れ!

目覚ましを遅めにかけて寝たらけっこうゆっくり寝られてすっきりした。起きて着替えて昨日と同じカフェへ。小さめのサンドイッチとカヌレ、コーヒーで朝食にする。ついでにハガキを投函する。宿に戻って荷造りして10時にチェックアウト。今日はこれから列車を乗り継いでManchesterに行く。Euston駅からDistrict lineに乗り、Victoria駅で乗り換えて、Euston駅へ。もう列車は入構していて、いつでも乗っていいということだったので、あと15分で発車であることだし早速向かう。Virgin trainという特急列車で、片道27ポンドだった。列車は11時発で、到着はちょうど13時。列車はどの駅にも止まることなく一昨日のBletchleyをすーっと走り抜け、どんどん北へ。道中はひたすら田園地帯で、馬か羊が見えるのだった。日本で、首都から第二の都市へ向かって特急を2時間走らせたとして(東京から大阪?)、発車15分で田園風景ということはなかなかあり得ないと思う。英国の人口分布ってどうなってるんだろうか。雲の多い晴れのなか、予定通りすんなりとManchester Picadilly駅へ到着。Manchesterは路面電車とバスが市内交通の要なのだった。さっそくトラムに乗ってホテルへ。少し早かったがチェックインすることができた。さっそく充電をしながらメールの返信仕事をやり(英国に来てから初めてだ)、昨日F&Mで買ったミニケーキを食べて少し腹ごしらえをし(ドライフルーツとウィスキー入りで美味しい)外へ出立。まずはTown Hallまで歩いて行った。重厚で素敵な作り。

f:id:noctifer:20170310002225j:plain

それからJohn Rylands Libraryへ行ってみたら、これが大正解! 建物は素敵だし、科学史関係のいろんな史料も展示してあるし、デジタル資料が見られるようにしてあって14世紀の天文学の本とか(明らかにアリストテレス自然学)リチャード2世につかえた料理人のレシピメモとかを眺めることができ(ただし手書き文字が難しすぎ)、ちょっとした楽しい時間を過ごす。

それから散歩がてらマンチェスター大聖堂まで歩いて行った。ここは戦時中にドイツ軍の爆撃で壊滅して、再建に20年、細かいところの復旧にはまだ(2017年現在も!)かかっていて、ようやく終わりそうということだった。行ったらオルガンビルダーがオルガンを組み立てていた。これは今年の春に完成するらしい。ステンドグラスの美しい大聖堂だった。

f:id:noctifer:20170310015005j:plain

裏のショッピングモールを歩いてみるが、Sheilaに頼まれたManchester Unitedのグッズなどどこにも売っていないのだった。最悪、空港ならあるだろうか? ムスリムが「イスラームは平和と慈悲の宗教です」とテントを立てて音楽を流しており、アメリカではなかなか見ない光景なのでちょっとびっくりした。

夕食は貝とトマトソースのパスタにして、サイダーも飲んだ。早めに宿に帰って色々と事務作業など。