お天気いまいち

ロンドン3日目。今日も割とスカッと起きる。今回は時差ボケがマシな感じがする。2週間以上ほとんど動かない生活をしていたのに、突然歩き回りすぎて疲れているのかもしれないが。今日の朝食は近くのカフェに行ってみた。ツナ入りのクロックソン、アプリコットのデニッシュ、カプチーノ。なかなかおいしい。

雨に降られるかと思ったが、意外と降られずに今日はまずは自然史博物館へ。通常の入り口が長蛇の列だったので、10分ほど歩いて裏側から。まずは恐竜を見に行く。朝いちなのでまだ空いていた。思ったよりは少なかったような気がするけど、色々と改装中のようだった。それから動物の剥製(ジャガー、ライオン、フェネック、カモノハシなどなど)、18世紀のドードーの絵、植物の絵。大英帝国植民地主義のもとの博物学の歴史って感じがする。それからCocoonという新設施設へ。ここでは科学研究の手法を学べる。本格的で驚いた。野外で昆虫を採るフィールドワークの準備を学べるコーナー(虫取り網の種類、服装etc.からパークへのアポ取りまで)、蝶の分類法を学べるコーナー、マラリア対策を学ぶというコーナーでは、何種類もの蚊を採集し、それぞれPCRにかけて同定し、対策を考えて適用していく、という手順がなぞれる。最後はピアレビューについての映像で、研究というのは調べて終わりではなく、データの分析に長い時間をかけるということ、論文の構成、査読という制度、査読でどんなコメントがつくか(めちゃリアル!)、といったことが学べる。これはすごい。ここに学生を放り込んで1日かけてやらせたらいいのではないか。館内はとても広くて、他にも鳥の剥製や、魚の化石、巨大なシロナガスクジラの模型、アウストラロピテクスの骨などが満載で、遠足の小学生たちが大量にいた。

地質のコーナーでは鉱物標本などもおいてあったが、火山と地震のコーナーにはかなり力が入っていた。火山コーナーには先日行ってきたハワイ島の溶岩標本(ペレの髪など)が展示してあった。ペレの髪は、ハワイ島の博物館で見たものより綺麗だったと思う。凄い。その奥に、地震体験コーナーとして、阪神大震災の再現展示が作ってあった。神戸のスーパーをモチーフに揺れ(たぶん震度4くらい?)を30秒くらい体験できるというもの。安全のために揺れがマイルドだから、生徒たちはアトラクションみたいな感じできゃっきゃ言って楽しんでるし、近くにいた中年の日本人女性二人連れ(関東アクセントだった)は「ふーん、たいしたことないね」みたいな感じだったけれど、私としては寝ている中の震度5強の経験と、それから何か月もずっと続いていた地鳴り、海の向こうで燃える神戸、その神戸市に叔父叔母従弟3人が住んでいて、後日訪ねて行ったときには三宮のビルはすべて傾き、そこここに花束が供えられ…というのを思い出してたまらなかった。たまたま隣にいた女性と少し話すと、彼女は校外学習を引率している教員ということで、その場にいた彼女の生徒たちと少し話すことになった。本物の揺れはもっと物凄かったこととか、西宮に住んでいた私の夫の周囲の家はすべて全壊したこと、義弟の頭の横にピアノが落ちたこと、棚の上に重いものを置いたら致命的であること、当時木造家屋が多くて、倒壊した家が火事になって沢山の人が亡くなったことなど、色々話した。生徒からも質問が出た。たとえば地震の時にまずすべきことは何か。もし火を使っていれば火を消し、机の下などで頭を保護する(後で思えば、扉を開けるというのも言えばよかった)。地震のときに建物をすぐに出るべきかどうか。これは場合によるが、迂闊に外に出ると壁の倒壊やガラスの落下などが危険なので、現代的な建物の場合は中にとどまる方が安全なことがある。大地震の揺れはどれくらい続くものなのか。場合によるが、長いものでは1分以上続くことがある。地震のあと津波が来ることがあるので、それも気を付けないといけない、などなど。英国に住んでいたら、地震はとても縁遠いはずで(ミネソタでも)、日本の常識では考えられないような住居や、考えられないようなものの置き方をしていることがよくある。危険予測をするには、いろんな情報を得て想像力を広げておくことが大切だ。最初は笑っていた彼女らが、色々質問してくれて嬉しかった。英語はさすがにちょっと大変だったし、何か色んな事を思い出して足が震えたけど。いくらルミナリエで震災を忘れないと言ったって、博物館で体験コーナーに行ってみたって、楽しんで消費するだけではどうしようもない。彼女らが興味をもって、これからもいろいろと勉強して、もし万一大地震に遭ったときに無事に生き残ってほしい。神戸で亡くなられた皆さんのためにも。

自然史博物館を出てから、隣の科学博物館へ。ここでは主に授業資料を収集。産業革命関係とか、計算機関係とか色々。ここの数学・計算機の展示は2013年に来た時とはずいぶん変わっていて、テーマ別展示でクロノロジカルですらなかった。これにはなかなか考えさせられた。科学というより技術なんだと思うとなるほどである。とくに通信史関係の展示がかなり使える感じで助かったが、コンピュータ関係のところではかなり言いたいことのある部分があって(自分の専門だからというのもあるが)、結局隅から隅まで見て回ってかなり疲れてしまった。売店で国際ハガキ切手が売っていたのでそれを買い、自然史博物館のショップに戻って木製のハガキを買い(しかも通常料金で送れる)、サウスケンジントンを辞去。グリーンパークによってフォートナム&メイソンの本店でドイツに持っているお土産とおやつを買い、アールズコートに戻って、以前にも着たギリシャ料理店で肉団子とパスタを食す。パンまでついて、多くて食べきれなかった。
宿に戻り、荷物を整理したり、ハガキを書いたり、色々作業をして深夜に就寝。

お天気晴れ

目覚ましで起きる。ちょうど明け方からが眠い時間だが、昨日は遅くまで頑張ったので爆睡できた。あとは起きてしまえば日光を浴びていれば起きていられるはずだ。朝食は宿のものにしたが、昨夜の夕食が重かったので軽めにした。

朝9時台に出立。Earls CourtからEmbankment駅で乗り換えてEuston駅へ。前にも来たのでだいたいのことはわかっている。窓口で往復切符を買い、Bletchleyまで。列車は40分くらい。

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4年弱ぶりの訪問だったが、色々驚いた。まずvisitor centerができてるし(以前はどこにそれがあるのかもよくわからん感じ)、無料のオーディオガイドがあるし、外で生活音が鳴るようになってるし、色々な機械や暗号の仕組みが学べるキオスクができてるし。場内のカフェもなかなかよくて、スパイシーなスクオッシュのスープがおいしかった。色々とじっくり見て回って、アポの3時を待つ。

3時からは資料を見せてもらえることになっていたのである。資料は2つ。アーカイブもいろいろいったけど、はじめて手袋をつけるように言われて驚く。ここはどちらかといえばアーカイブというよりミュージアムなのか。それともオークションで高額で落としたから? 交渉して写真も撮らせてもらったけど、まぁあんまり収穫というほどの収穫ではないかな、というくらいだった。調査あるある。見終えた後は、少し散歩してから辞去。すぐに列車が来て助かった。

夕飯はEarls Courtの近くでイタリアンのリゾットを食べた。思ったより辛くてびっくりしたけど美味しかった。飲み物はサイダー。色々とごちゃごちゃ作業してまた深夜に就寝。このときにうっかり携帯を落として、画面にひびが入ってしまった模様。うっすらとした1本ヒビなのでそこまで資料はないものの、ミネソタに帰ったら修理しないといけないし、お金もかかるしちょっとショック。

曇り時々晴れ

機内では、真ん中3列席に座っているのが私だけで、おかげで横になって寝られた。ラッキー。機内で見た映画は「ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち」だったが、これが非常によかった! また見たい。たぶん時代とか地域とか衣装の設定とか色々と私の好きなあたりを突いてるんだと思う。本も買おうかな。

ロンドンについたら朝の10時。ヒースロー空港は前にも使ったはずだが、色々と忘れている。District Lineに乗ってアールズコートへ。以前も泊まった宿にまた泊まることにした。時間は早かったけどなんとチェックインできて(助かった!)、荷物を置いて外へ。まずはHigh Street Kensingtonに行って3の店を探し、simカードをゲット。結局10ポンドで通話1時間、データ1ギガのsimを買った。ついでにセッティングもしてもらって一安心。おなかがすいたので向かいのカフェでクリームティーにする。ケーキとスコーン、クロテッドクリームのおいしいこと! そしてやっぱり英国は紅茶がうまい。

迷った結果、地下鉄を乗り継いで、Westminsterでぼんやりビッグベンやテムズ川などを眺め、一旦宿に戻り、あまりに眠いので1時間ほど仮眠。5時半に起き出して支度して、6時半に待ち合わせでSloan Squareへ。研究室の後輩Sさんと待ち合わせて10年ぶりくらいの再会! ブラッスリーで白ワインとおいしいポークリブを頂きながら、彼女が大学を卒業して以来のつもる話をしまくった。楽しかった~。彼女が学部生のときよりも、相対的に年が近くなってお互いにいろんな経験も積み重ねて、色々と話しやすくなったなあと思う。有難いことだ。メディアの話や、フリーランスの話は面白かったし、踊りの話もとっても面白かった。あとはロンドンの家賃の話とか。英語の発音とイギリスにおける言葉の訛りの話。ブラジル出張の話。結婚の話などなど。結局11時くらいまで話し込んでしまった。また世界のどこかでご一緒したいものです!

宿に戻ってシャワーを浴びたりなどして就寝。一杯活動したので時差ボケもものともせず寝られる。

くたくた曇り

朝6時半に起き出して、コメントを見ながら論文の直し。いくらなんでもこれが限界。送って虚脱する。食事をしてからゴミの処理をし、シャワーを浴び、荷造りをほぼ終えて、仮眠を取ろうとしたところでメルセデスに会う。駅まで送ってくれるとのこと。助かる! 1時間ほど仮眠をとったらずいぶん元気になり、支度をして、メルセデスに送ってもらって出立。早めについたので飛行機に乗るまで1時間くらいだらだらと待った。このところきりきり仕事していたので、何か呆然としてしまう。17時半の便に乗り、直行でロンドンへ。フライトは7時間半。

今日も晴れ

朝6時半からスカイプ。どうなるかと思ったが、思ったよりも普通でよかった。とりあえず何をどう直さないといけないのかがはっきりしたので、プリンタも使いたいことだし、スカイプを終えてから軽く食事をとって、研究所に行くことにする。土曜の研究所は無人で、厳重に鍵がかかっているので、順番に開けて入る。当初3時間くらいで作業が終わるだろうかと思ったが、結局9時に開始していっぱいいっぱい17時半まで作業にかかってしまった。途中であまりにおなかがすいて、近所でハンバーガーを食べたのが、まだしも功を奏したようだ。くたくたになって帰宅して、残り物で食事にし、洗濯し、明日の支度をほぼ作り終え、疲れ果てて就寝。時差ボケに備えて早く寝ているのだが、寝入りばなに明日朝のスカイプの連絡が来た。それでもとにかく寝る。

雲多い

早寝のおかげで朝早く起きる。ふつうに9時前に出勤して論文に取り組む。15時には終えて研究会に行けるかと思ったが、進度的にぜんぜん無理で、結局18時半までかかってしまった。本当に精神的にこたえる。書いても書いても…という感じ。そもそも論文の書き方が違うし、何をどう書けばいいか、を考えるところで妙に頭にストッパーがかかりそうになるので、意識して心を無にしながら作業をする。なんだろうこの作業。修行な感じもある。帰宅して残り物で食事にしてから、夜も作業して、遅くならないように就寝。

晴れ

布団の中で何かごろごろしてしまう。どうにも疲れている。起き出したら、また論文にコメントがついていたので、3時間くらいかけて改稿して戻す。それからメール仕事やら、旅の手配やら色々。帰ってからは、今日はもう仕事したくなかったので、食事と一緒にお酒を飲んだった。スーツケースを引っ張り出して旅の準備をする。とにかく旅の準備が進んでしまえば気持ちも落ちつくのではないか、という魂胆。だいぶしんどい。