変わりやすいお天気

7時半に起きてうっかり二度寝し、起きたら9時前で飛び起きた。宿の朝ごはんはフルーツも多くて美味しかった。サーモンやニシンも食べてみた。美味。

11時にHeleriがやってきた。彼女とは2008年のgateway orientationで同室になったのが出会いで、2009年にボストン、2012年京都で会って以来、5年ぶりの再会だった。いまはタリンの中心部で弁護士をしているスーパーエリート。タリンに行くよと連絡したら案内するよ!とガイドをかってでてくれた。嬉しい!

まずは旧市街を歩いて回る。タリンは中世に栄えて以来、いったん没落したので、それで古い町並みがたくさんのこっているということだった。教会に広場、旧市役所、元KGBの建物…。ソ連時代はもちろん土地も家も私有ではなくなり、ロシアからたくさん人が引っ越してきたらしい。しかし、1990年代にエストニアが独立したとき、旧市街の家も元の所有者に戻すことになり、そこに何十年も住んでいる人もいたりして、色々法的にも大変だったらしい。ソ連時代はリノベーションにお金もかけられなかったので、旧市街の家の改修は今も進められているとか。旧市街としての街並みも保たないといけないのでなかなか大変なようだった。へレリの前の職場のすぐ隣という聖ニコラス教会を訪れ、中世の「死のダンス」や銀の紋章などを見たりなど。

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教会を出たらちょうど雨が降ってきたので、混んでて入れないことも多いという近くのレストランに行ってみたらちょうどは入れたということもあり、ランチすることになった。ここのランチスペシャルがたったの5ユーロで超おいしい! へレリが言うには、エストニアの家庭料理に近いとのことだった。

Rataskaevu 16

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ごはんを食べ終わって歩いていると、へレリが「今すれ違ったの、芸歴20年の女優さん」とか、「あそこでランチしてるの、保守第一党の党首」とか色々教えてくれる。そしてしょっちゅうへレリの友達に会う。タリンすごいな! へレリいわく「エストニアは小さいから一つの村みたいなもの。みんながお互いに知り合いって状態」だとか。すれ違う人が誰かというのは旅行者では絶対にわからないので、地元民と歩いていて初めてわかることだよなあと思う。なんでもイベントで首相に会えたりもするらしい。日本じゃ考えられんけど、知事に会うみたいなものか、と思えば可能性も感じられる。

デンマーク王の庭を抜けてトーンペアへ。この辺りには国会とか政府の主要な建物が並んでいる。ていうか国会コンパクト! まあエストニアは小さいからそりゃそうかもしれんけど!

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国会の横のこの塔はエストニアの象徴で、日の出と日没にあわせて国旗が掲揚されるとのこと。白夜になると掲揚時間長くなるの?と聞いたらそうだと言っていた。逆に冬は短いとか。 

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ロシア正教会の教会なども覗いてから展望台へ。昨日も来たけど今日のほうがずっと眺めがいい。この辺で、へレリが今日明日の夕食の予約をとってくれた。ありがたい。

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眺めを楽しんだ後は、へレリの車に乗って、近くのカドリオルグ公園に行った。ここには博物館もあるし、いまの首相公邸もある。この横にケーキの美味しいカフェがあるということで、そこでお茶した。 

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前に日本で会ったときのこととか、日本の最近の国際関係のこととか、アメリカ大統領選後の米国の雰囲気のこととか、色々と話し込む。

その後は公園を散策。なんとこの中に日本庭園があるというので行ってみた。「茶室」とか書いてるのに何もないやん!とか私が突っ込んだりしていたのだが(へレリは「日本語わからないからそこに茶室があるはずというのも知らなかった」とか言ってた)よくよく見ると庭園はまだ整備中で、将来的には茶室などをつくるということだった。京都の庭園業者さんらしい。なかなかよい雰囲気だった。

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カドリオルグ公園自体は日本庭園含め非常に広い。この公園ではウェディングフォトなどもよく撮られているらしいのだが、エストニア人が撮るポイントとロシア人が撮るポイントがまた違うらしい。文化の差ってことかな? なかなか興味深い。

それからへレリが遺跡に連れて行ってあげるといって、車でピリタ修道院跡に連れてってくれた。15世紀にたてられた修道院で、16世紀に廃墟になったとか。中央を境に男女に分けられていたらしい。巨大。

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ここでウェディングの写真を撮ろうというカップルとすれ違った。敷地内にお墓があるのだが、へレリが「お墓で結婚写真か~」と笑っていた。ここからちょうどテレビ塔が見えるのだが、時間もあることだし、テレビ塔に行こうということになった。公共交通機関ではなかなか行けないところなので嬉しい。

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ソ連時代に建てられたこのテレビ塔は、エレベータの設計に日本人が関わっているとのこと。1990年代のエストニアの独立のときには、メディアをおさえようとここにロシアの戦車がやってきたらしいのだが、エストニア人の必死の抵抗で死守したとのこと。その記念碑もたっていた。メディアをおさえておくことは重要なのだ、とへレリも言っていた。そもそもエストニアフィンランドに近く、ソ連時代もフィンランドのテレビを見られたとかで、それでエストニア人はフィンランド語を覚え、西側世界の暮らしを学んでいたのだという。北朝鮮ではどうなのだろうな、と思ったりなど。タワーの上からは素晴らしい眺め。外に出られるデッキもあったけど、ものすごい風だった。それにしてもタリン付近はフラットでびっくりする。全然山がないやん!

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世界のどの都市まで何キロとかいう表示があったり、エストニアのIT企業を学べるブースがあったりして、それもなかなか楽しかった。

お土産屋さんでエストニア作曲家のCDとかマグネットとかを買って辞去。タワーの前で二人でセルフィーしてFBにあげたら、同じ奨学生仲間から「リユニオン!」とか言ってものすごい反応があった。皆元気そうでうれしい。

夕食はタリンの旧市街のカフェにて。豚肉料理とデザートを食す。

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今日はいっぱいうろうろしたので早めに解散にした。明日もへレリと回る予定。とにかくへレリはエストニア人なので、一緒にいると何もかもスムーズにいくので本当に助かる(前にへレリを京都で案内したときももしかしたらそうだったのかもしれないけど)。へレリは英語がペラペラで、初めて会った時はへレリの英語の流暢さについていけないと思ったものだったが、今回は全然普通やなという感じで、私の英語力もちょっとは成長したのかな、と思うのだった。