曇りの一日

ベルリン2日目。朝から宿の前にあったカフェでかるく朝食にする。内装も素敵でコーヒーもおいしく、小さいけどいいカフェだった。

今日は列車を乗り継ぎ、まずは技術博物館へ。ここはもともと駅だったとかで、色々と機関車を見る。それにしてもロンドン、マンチェスターに引き続き、本当にたくさん機関車や列車を見ている気がする。ここで、ドイツ国内でこれまではじめてハーケンクロイツを見た。

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第三帝国時代の列車につけられていたハーケンクロイツである。後にも先にもハーケンクロイツを見たのはここだけだった。その隣には木製の車体があり、中に入れるようになっている。ユダヤ人を強制収容所に送り込んだ、当時の本物の列車。狭い車内にぎゅうぎゅうに100人以上を押し込んで、移送中にもたくさんの方が亡くなったと書いてあった。こうやって、かつてあったことを無かったことにしない、きちんと展示する姿勢は本当に見習うべきと思う。

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おなかが空いたので博物館のカフェで昼食にしたら、ここのカフェのごはんは非常においしかった。妹とピザみたいなお料理をシェアして食べた。うまかった。

そのあとはそれぞれ分かれ、私はまず計算機を見に行き(ここで大きな発見あり、BrainについてZも30年代に書いていたとは! これは詳しく研究をせねば)、それから砂糖に関する特別展示や、ジュエリー製造、鞄製造、化学製薬、フィルム製造などの展示を見て回った。盛りだくさんで面白い博物館だった。

博物館ばかり見ていて疲れてきたので、午後の後半は東ベルリンにあるティアパークことベルリン動物公園へ。ここはだだっぴろくて、東ドイツの雰囲気が残っていて、古い施設ながらも様々な動物を展示していて面白かった。時間が遅くて曇っていたせいでちょっと寂れた雰囲気があったけど、それはそれでよかったような感じもある。ラクダやボブキャット、シベリアトラ、スマトラトラ、サイやゾウ、マナティなど。マナティの展示環境がちょっと狭くてかわいそうな感じがした。それからサーバル!

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うわさにたがわず、頭が小さくてしゅっとしたネコ科動物だった。はじめはうろうろしていたけど、しばらくして檻のそばでくつろいでおられた。この動物園は猛獣を1メートルくらいの距離で見られるのが特徴で、らんらんとした目をその距離でこちらに据えられると正直ちょっと怖い。やはり猛獣は猛獣であった。妹は色々な動物が見られて本当に嬉しそうで、R君はしんどそうやったけど来てよかったなあと思った。

列車を乗り継いで、夕食場所へ。待ち合わせの時間よりちょっと早かったので近くの子供服・おもちゃ屋さんに入る。そこでものすごい手触りのいい白うさぎのぬいぐるみに遭遇してしまい、妹とかわいいなあと言い合っていて、あまりにかわいいので身請けしてしまった。中国製でイギリスの会社でドイツで売られていたうさぎさん。名前はドイツ語からとってハーゼちゃんにした。

今日の夕食はリユニオン。奨学生仲間だったPaulに連絡をとって、彼がいつも企画しているという夕食会に参加させてもらうという趣向。そこに、私だけでなく妹とR君、それからキールからはるばる来てくれたY君も同席するという凄企画。PaulとCaroは2012年に大阪で会って以来で、Caroは6月に出産予定だそうだ。楽しみ! 来週にマインツに引っ越すと言ってたから、ぎりぎりのタイミングだった模様。向こうに行っても変わらずジャーナリズムの仕事をすると言っていて、来年にはまた日本に遊びに行きたいと2人とも言っていた。1か月に1度はお好み焼きするとか。いつか赤ちゃんにも会いたいなあ。Y君は2010年にローマで会って以来で、でもお互い変わらないねと言い合う感じだった。近況や帰国予定やゲーム、私の結婚、同期たちの近況などの話をする。PaulにしてもY君にしても、Facebookのおかげでそれなりにどうしているのかはキャッチアップできているのがすごいなと感じる。というか、FBがなければ再会することも難しかっただろう。それぞれ7年分、5年分をキャッチアップして何だかもう圧倒的な感じだった。Paulには米国の今の雰囲気や大統領選の話、2009年以来にNashvilleに行った話、見てきた英国の雰囲気の話(マンチェスターにホームレスが多かった話)などもした。ちなみにここのお店のごはんはまた本当に美味しくて、とっても満足して食べた。肉団子と、デザートはアプフェルシュトゥルーデル(ホッツェンプロッツ人気の話でまた盛り上がる)。問題は12人いてドイツ語を喋らないのが私だけということだったのだが、皆(妹以外は)英語も喋れるのでたいして問題ではないというのもすごかった。夜7時から11時すぎくらいまで盛り上がって、PaulとCaroとはまたお好み焼きパーティをしようと言って、再会を約束してハグして別れた。Y君はAlexander Platz駅でハイタッチして別れた。思えば大学の同期たちと出会ってから、もう人生を折り返すくらいの時間がたったわけだけど、それを彼に言うと、今の年齢の2倍になったときにはもう死んで会えないかもしれない、という。そんな寂しいことを言わんでくれ、まぁ確かにそうだけど、その年にみなで元気で会えたらラッキーということだ、それを目指そう、と話しながら歩いた地下道だった。

宿に戻ってからは妹といろんな話をし、結局就寝は午前3時。