夜から雨

「初めて」を大量に経験した一日だった。

今年は厄年である。いつにもまして厄祓いをせねばならない。節分に異装をすると、跋扈する鬼は相手をアイデンティファイできず、厄を撒き散らさず去っていくという。

だからというわけでもないのだが、前から気になっていた撮影スタジオを予約して朝いちで行ってきた。「これ誰?というくらい、原形をとどめないくらい変えて下さい」とお願いして、洋装と和装でこれでもかというくらいの異装をした。物凄く濃い化粧をして、初めてつけまつげとアイプチして、初めてウィッグつけて、常識的に考えて絶対着ないような衣装を着て、セットでポーズ取りまくって写真を撮ってもらった。フォトグラファーの方に「こういう写真撮り慣れてます?」と言われたが、そんなわけもなく…まぁ舞台出てたりしてたからか? これがまた、強烈にストレス発散というか何というか、すごく気分が高揚してスカッとした。とても楽しかった。これは料金に見合う価値があると思う。厄祓い的にも、鬼が私をアイデンティファイできないのは確実(自分で写真見て「誰コレ?」と口をついて出たレベル)。まだデータ貰ってないというのもあるけど、銀髪黒ドレスとふわくしゅアッシュボブ赤打掛はここに載せられるような写真ではないので、見たい人は私に言ってください。

夜は、宮川町のお茶屋のお座敷に出かけた。大学時代の部の先輩が、祇園祭の某保存会の皆さんが毎年恒例で節分お化けの会をするので、よければ一緒にどうかと誘ってくださったのだった。というわけで、初めて花街のお茶屋というところに足を踏み入れた。周りはもちろん京都の老舗の旦那衆だし、お座敷初めてだし、全体の流れやら用語やら女将さんのことやら、色々勉強になった。お化けというのは、舞妓さんや芸妓さんが節分に異装をして普段と違う出し物をされるという行事。これが正統の「異装による厄除け」である。この日は合計4組の芸妓さん方がお座敷に来られた。

 

f:id:noctifer:20130201205238j:plain

f:id:noctifer:20130201211808j:plain

f:id:noctifer:20130201215018j:plain

 

 出し物をされて、お酒を飲んで少しお喋りをして、次のお座敷に走っていかれる。一晩で三十ほども回るとか。それにしてもこの出し物のレベルが本当に高くて、もうこんなに笑ったのは久しぶりというくらい笑ったかも。やはり芸というのはこのレベルを目指さねばなるまい。大笑いしながら、笑うのも厄祓いや、と皆さん仰っていた。あ、ちなみに恵方巻きというのも初めて食べた。

 そのあと祇園のバーで二次会で、午前様で帰宅。ありがとうございました。