最後まで晴れ

なぜか朝5時半に起床。昨日残り物でもらって帰ってきたパンとジュースで朝食にする。朝は時間があったので、ストリートカーで西の大学方面へ行ってみた。レトロな路面電車で、中も木製だしなかなかよかった。10時過ぎにホテルに戻ってチェックアウト。蒸し暑い。どこにいこうか迷ったあげく昆虫館へ。ネット上のレビューに「あまりにもこどもむけ」と英語で出ていて、行ってみたら確かに子供向けだったけど、思いのほか面白かった。東アジアからの白アリの移入、いま話題のヒアリの展示もあったし、移入したけど別に害はなかったグリーンバナナローチ、小さいワニ、その他のゴキブリ類など、狭いながらもなかなか充実。生きた蝶がたくさん飛んでいる展示室も。なぜか日本風のデザインにしてあった。カメラに泊まってびっくりしたりも。ヒッチハイカー?

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お昼は南部風のdeep fried seafoodということで、牡蠣とエビのフライをいただく。ポテトフライが塩気があるうえになかなかおおくてびっくり。少し残す。散歩してからホテルに戻り、預けた荷物を取って14時10分のシャトルにのる。同乗していた女性がイライラしていて往生した。空港ではスムーズにチェックインして、ミネアポリス行きの便へ。機内では今後の研究計画などを綿密にたてた。時間がないことで鬱にならないように。帰り際にスーパーに寄って、帰宅して、髪をあらって洗濯して水分補給してから就寝。

夕方に雷雨あり

7時前という早起き。機内でもらったグラノーラバーと昨日買った水で朝食にして、まずは歩いて第二次大戦博物館へ。さすが南部というべきか、めっちゃ蒸し暑い。博物館ではまず「Tokyoへの道」という展示を見た。終戦に向けて、東京に近づいていくという趣向か。ベテランの体験談がちりばめられ、米国側だけでなく日本側の死者数もきっちりかいてあり、また日本のcrazyな戦争戦略(兵站の軽視、特攻、竹やり訓練etc.)についても書いてあった。まあクレイジーであったことに疑いはないが、祖父が苦労したというフィリピンの戦いの展示はなかなか心の痛むのであった。最後の部屋では原爆と空襲が同じ扱いになっていたこと、原爆のことがさらりと流されていたこと、「長崎で土産を拾った」(!)という談話と一緒に溶けた瓶などが展示されていたのが印象的であった。しかし映像で被爆者の姿が出ていたこと、死者数をきちんと書いていたことは評価したい。投下に対するdecisionに関する記述は少な目で、科学者の責任に関する話もなかった。全体に「戦記」「戦史」という感じがする。その次が「ベルリンへの道」で、これも最後は瓦礫だった。対ドイツ戦の展示では、人種関連に関する記述があった。ちなみに日本の展示でも731部隊、中国での非道に関する記述もあったのだが、ドイツとすこし描き方が違うようにも感じた。別館にはボーイングの作った戦闘機が展示されていたりも。STEMに関する展示は期待外れだったが、私の研究に関連する記述が少しあって注目。

展示を見終わってからは、暑い中歩いて、途中のカフェでお茶を買い、それからミシシッピ川のフェリーに乗りに行った。普段見ている川よりずっとでかい! このあたりは流石に深いらしい。片道2ドルでのんびり往復。

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フェリーを降りて、案内所に寄りつつ、Cafe Du Mondeに行って名物のカフェオレと揚げパンを購入! 粉砂糖がかかってうまーい。食べ終わってからブードゥー歴史博物館に行ってみたが、ここは期待外れかつちょっと(人の欲が)気持ち悪かった。それに比べて、The Historic New Orleans Collectionは非常によかった。係の人も尋ねたら丁寧に説明してくれるし、なによりコレクションそのものがよい。アンドリュー・ジャクソンが、ニューオリンズの戦いの5日前に体調が悪いので別の人をかわりに送ってくれと頼む手紙(原本)など。もし1週間遅れていたらアメリカの歴史(ひいては世界の歴史)は全然変わっていたかもしれない。歴史のバタフライ効果とでもいおうか。閉館までいて、それからガンボショップにいってクレオール料理を食す。ガンボ、ジャンバラヤなど。ジャンバラヤおいしかった! ガンボもなぜか不思議にスプーンがとまらなくなるお味。

レストランを出ることから雨に降られはじめ、ザーザー降りのなかいったんホテルに戻る。荷物などを色々おいて、体勢を整えて、改めて出かけてPreservation Hallへ。途中で雨もやんで歩きやすくなった。黒人Jazzのライブ、本当に素晴らしかった! 大学の母校の昔の姿を彷彿とさせるようなHallの内部に、楽しい音楽。飛ぶように時間が過ぎた。CDを買い、白猫の写真をとって辞去。

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それからバーボンストリートをうろうろ散策。土産にステッカーやビーズネックレスを買い、写真をとり、パティオのあるバーでダイキリを飲んで一休み。この通りは本当に繁華街で、綺麗でセクシーな小柄な黒人お姉さんが煽情的な格好で立っているお店の前で、なぜか客引きのお兄さんに入店を誘われたりなど(笑)。いかがわしいグッズの店も多く、しかもなぜか女子や女性装のお姉さまでにぎわっていた。途中でジュースを買って、ホテルに戻って就寝。

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美しい夕暮れ

朝起き出してホテルの外へ。昨日と同じスタバでお茶とドーナツを買い、広場で食べる。ちょうどいいタイミングだったのでついでにポケモン散歩してから宿に戻り、チェックアウト。フロントの人も親切だった。5分遅れくらいのシャトルにピックアップしてもらい、助手席に座る。サンタフェからアルバカーキは素晴らしい眺め! ダッシュボードにパンダを置いたら、ドライバーさんが「サンディアエクスプレスならぬパンダエクスプレス」とウケていた。

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すんなり空港についてセキュリティエリアに入り、時間も迫りつつほどほどだったのでBLTサンドを買い、食べる時間はなかったのでもって搭乗。なぜかグレードアップされてプレミアムコンフォートだった。広いアトランタ空港で乗り換えて、ニューオリンズへ。着いたら日暮れだった。大分南なので日没が早い。到着ロビーでシャトルを往復申し込み、それに乗ってホテルへ。値段と地理の関係上、めずらしくHilton系列の宿を取ったが、部屋が広すぎ! 踊りの稽古ができるんちゃうかというくらい。ちょっとおなかがすいたので、夕飯はホテル1階のバーで、マグロのタルタルと生牡蠣6つ、バーボンとピーチとミントのカクテルにした。牡蠣うまい。デザートを勧められたので、ローカルなものをといってBread Puddingにbuttered pekanソースとバニラアイスがのったものにした。これも美味しかった。隣に座ったカップルに、ローカルで最高のチョイス!と言ってもらうなど。お兄さんはミネソタにはメイヨーを訪ねていったらしい。お医者さんだったのかしら。

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夕立あり

ベッドは気持ちよくて良く寝て起きたがなんとなく頭痛がする。脱水か高山病か。とりあえず出かけてスタバでアイスティーを飲み、ドーナツを一つ。サンタフェは建物の形がかわっている。 

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聖フランシス大聖堂、ロレッタチャペルのらせん階段、最も古い家、最も古い教会を見てから、ビジターセンターで地図をもらい、その次に州議事堂に行ってみた。サンタフェニューメキシコの州都である。州議事堂を訪問するのは、ネブラスカミネソタ、テキサスに続いて4つ目くらいだろうか。他にもどこか行ったっけ?

 

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その次に、画廊が軒を並べるキャニオンロードに行ってみた。暑いので炭酸水を買って飲んで休憩してから歩く。なかに、とっても綺麗な蝶の絵が。家に余裕があればほしかったなあ…。また歩いてオールドタウン方面に戻り、アイスクリームとお茶で休憩。その近くのZuniのフェティシュを専門に売る店でお土産を探す。フェアなトレードを目指しているということで、説明もきっちり専門的で大変よかった。トルコ石のクマさんをお迎えする。その後もいくつか土産物屋を巡った、というかサンタフェの街中が全体的にそんなんばっかりである。鉱物屋さんんとかも。雨も降りそうなので、ネイティブアメリカンの現代美術館に行ってみたら展示が半分しかあいていないということで半額。

 

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そのあとにジョージア・オキーフ美術館に行ったのだが、この美術館が非常によかった。というか、そもそもオキーフの美術が私好みということなんだと思う。閉館まで満喫。夕食はラ・フォンダの1階に入っているレストランでパスタを食べたのだが、これがアメリカで今まで食べた中でも指折りのうまさ! 超美味しい! ビーツのスープもよかったし。満腹でホテルに戻り、ゆっくり休息。いつのまにか頭痛はなおっていた。

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ものすごい晴れ!

今日もなぜか早起き。朝はヨーグルトとバナナとジュース、コーヒーで水分補給をはかる。日焼けどめをぬって帽子をかぶり、9時前からトレイルをあるいた。まずはキャニオンリムトレイル。日差しがすごい。向こうのメサに見える建物は何かと思っていたが、後できいたら加速器ということだった。

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歩道のない空港の横をあるいて、さらに次のトレイルへ。

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ロスアラモスメサトレイルからさらに下に降りるか休憩しながら迷いつつ、時間もあることだし、下から軽装のカップルが上がってきたことなので、ちょっと行ってみることにした。そしたら素晴らしい景色が。

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白い石に野生のサボテン、小さいトカゲがそこかしこでカサカサしていた。谷をひたすら進んで上がる道ということで、かなり運動した。これはうっかりすると脱水する。強い日差しの中頑張って歩いて、時間までに帰宿。チェックアウトして、バッグを預け、公園で花を眺めながらしばし休憩。昼ごはんは昨日と同じカフェでサンドイッチとクラムチャウダー、スムージーを食すことにした。マンハッタン計画歴史公園のビジターセンターを発見して寄ってみる。日本から来たといったら何ともいえない変な顔をしていた(苦笑)。後できくと、ここにある展示は前に歴史博物館にあった展示のレフトオーバーということだった。アートセンターは今日はお休みで(昨日行っておけばよかった)、時間もあるのでBradbury博物館のうち昨日見そびれた展示を見に行くことにした。老朽化した核兵器の処理が云々など。最後に新造したのが1992年だが、核兵器の知識を持っているということ自体が抑止力とかそういうビデオもあった。

ホテルに行って荷物をとってきてから、4時よりFuller Lodgeでイベント。被爆三世のアーティストや暗黒舞踏アーティストも加わったパフォーマンスアート。個人的には福島を入れるのはどうかと思ったが、まあそれはそれ。こういうイベントがここで受け入れられること自体が意義深いことだと思う。フロアからのコメントで、ここを追い出された人達が抜けている、という指摘があった。まことその通りであった。アルバカーキ名誉総領事にも会う。

その後はAimeeとNicに車で送ってもらって、新しく作り直したゲート(実はお手洗い!)も見て、サンタフェのはずれでニューメキシコ料理を食べた。色々した版。仕事探しの件、今の米国大統領と日本の首相、歴史観の問題。Nicスパコン史のプロジェクトのこと。歴史に関する「realistic view」のこと。Aimeeは展示を作るのに本当に苦労したとのこと。ロスアラモスにはラボ関係の人も多く、毎週のように原爆の戦争終結に対する意義についてどう思うのか、みたいなことを聞かれて、本当にうんざりして、現在また職探しをしているということだった。さもあらん。でもあの展示を作ったこと自体がすごいことだったと思う。記念写真もとって、サンタフェのホテルまで送ってもらって解散。二人ともどうもありがとう! サンタフェブティックホテルの部屋が可愛すぎて吃驚。こんなお部屋憧れ!

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今日もしっかり晴れ!

妙に早起きで目が覚める。1時間の時差のせいかもしれない。マフィンやヨーグルトなどで朝食をとり、まだ博物館が開く時間ではないので周囲を散歩した。それにしてもロスアラモスというのは、大昔のカルデラの外輪山から何本もの指のように谷が伸びている、その谷の上に町や研究所やらが作ってあるという構造になっていて、とにかく自然が雄大で綺麗。ハチドリとかぶんぶん飛んでるし。そして標高が2100mで空気が薄い。こんな綺麗なところで原爆作ってたのか、と思うと、ちょっと空恐ろしいような感じもする。

10時に歴史博物館が開館したので見学。思ったよりも小さいが、新しくなったという展示に気合いが入っている。科学者の倫理に関する展示が面白い上に意外なほど(だってここはロスアラモス!)だし、なんと広島・長崎との交流に関する展示や折り鶴コーナーもあった。ロスアラモスにいたスパイとかに関する展示も。

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一通り見終わって、外のブースでAimeeに再会! 私が参加するツアーは12時から。いまは民家になってふだんは見学を受け付けていない家も見学させてもらえるというスペシャルツアー。ハンス・ベーテやボーアが住んでいた家。もう少し大きな家。オッペンハイマーの家。どこもとっても綺麗で過ごしやすそうな家だった。オッペンハイマーは料理が上手で、家のキッチンも特別に作り直させたそうなのだが、いまだにそのキッチンはそのまま改装されずに保たれているらしい。

ツアーのあと、おなかが空いたのでランチ。アイスティーとベーグルサンド、肉団子入りのパスタスープ。乾いていて暑いので、知らない間に脱水する。たぶん標高が高いのもきいている。ごはんのあとはぼちぼち歩いてNature Centerで眺めを楽しみ、地元の小さな生き物を眺め、さらにBradbury Museumへ。これは国立ロスアラモス研究所直営の博物館で、展示はラスベガスの核実験博物館に通じるものがあった。 ちょっと情報を詰め込みすぎでは?と思わないでもない。歴史博物館に比べると、やはり核兵器の正当化が顕著だった(というより歴史博物館が例外だと思うべきなんだろう)。この博物館は17時までということで閉館とともに辞去し、Blue Window Bistroで夕食にした。ニューメキシコのステーキサラダとビール、リモンチェッロのケーキ。めっちゃおいしかった! 疲れも出るので早めに就寝。

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素晴らしい晴れ、虹も

普通に起床。思ったより早く目が覚めた。今日から1週間の旅。靴をどうしようか迷った挙句、結局コンバースを履いて出立することにする。空港まではスムーズに行ったが、フライトが20分ほど遅れているという。昼食にサラダとミニマフィン3個入りを買ったら、そのうち2つがかびていてがっかり。フライトはさらに遅れ、結局ゲート変更のすえ、2時間ほど遅れて出発した。これは乗り継ぎのバスの乗り遅れ確実、ということで気分が下がる。行きのフライトでは参考書を読んでいた。とりあえずアルバカーキの空港からサンタフェまでのシャトルは次の便に乗せてくれた(サンディアシャトルありがとう!)。問題はその先なのだが。とりあえずニューメキシコは乾いた土地にすごい眺めだった。とにかく雄大。乾いているのにかるく通り雨も降ってるし、不思議な感じだった。シャトルではひたすら後ろのインド人女子が延々1時間半ずっと電話で話していたが、よくそんなに話すことがあると感心する。アルバカーキの空港からサンタフェの列車駅まで送ってもらい、バスをチェックするがもちろん終バスは1時間前に終わっている。Uberを検索すると158ドルというものすごい値段! バスだったら3ドルなのに! 悔しさを感じつつ、念のためスマホに入れておいたLyftを検索するとUberよりも近くにいるようだ。値段の検索はできなかったがもういいやと思ってLyftを読んだらすぐ来てくれた。運転手はMikeというおじさんで、この人が非常にいい人だった。サンタフェからロスアラモスまでの道のりを、ここに居留地があって、ここに名物の岩が、とかフレンドリーに教えてくれながら送ってくれた。しかも料金は50ドルちょっと! 助かった。Mikeによれば、最近はUberの法外な値上げシステムが嫌われて、ドライバーも利用者もLyftに移ってきているらしい。

そんなわけでようやくロスアラモスの宿に着き、荷物を置いて中心部の池へ。この週末はサイエンスフェストということで、音楽のステージも出て盛り上がっていた。焼き茄子のラップと炭酸水で夕飯にして、少し散歩して、池の夕暮れの写真などを撮る。このときにうっかりカメラを置き忘れ、宿でカメラがないことに気づいて真っ青。ホテルと池を往復し(といっても徒歩3分くらいだが)、音楽スタッフに声をかけて探してアナウンスしてもらう。そうしたら、なんと誰かがみつけて、最も安全なステージの上(!)で保管してくれていた! 感謝感激! スタッフの皆さんにお礼を言って帰宿。やはりロスアラモスは研究者が多くて治安もいいと聞いていたが、本当にいい人が多い。助かった。今日はなんだか星回りが悪いので早く寝る。

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